『SRO6 四重人格』を読みました

 

SROVI - 四重人格 (中公文庫)

SROVI - 四重人格 (中公文庫)

 

 

2016年18冊目。

 

SROシリーズの第6弾。待ちに待った新作です。

SROとは「警視庁広域捜査専任特別調査室」 (Special Research Office for Extensive Investigation)の略で、地域にとらわれることなく日本全国の事件を対象に捜査を行うことが出来る新設部署(FBIの日本版)でメンバーはたったの7人。

 

そのうち5人がキャリアで、昆虫マニアで不細工な女性が好きな室長、才色兼備ではあるが精神病を抱える汚部屋住みの副室長、犯人をよく射殺してしまう「警視庁のダーティー・ハリー」こと針谷太一、といったキャラの濃い面々が集う異色の部署です。

 

そんな彼らが、未解決事件や現在起こっている不可解な殺人事件などからシリアルキラーをあぶり出しとっ捕まえていくといったストーリーで、本作のあらすじは以下の通り。

東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。その最中、耳や手首が切り取られた惨殺死体、銃殺死体が東京近郊で相次いで見つかる。すべての現場に残る同一人物の指紋から、SRO室長の山根新九郎はある仮説を立て犯人に追う。傷を負ったSROのメンバーが再結集し、常識を覆す新たなシリアルキラーに立ち向かう。

 

前作までSROが追っていた最大の敵であるシリアルキラー・近藤房子の襲撃で長らく離脱していた事務の木戸沙織も復帰し、同じく近藤房子に拷問を受けた副室長の芝原麗子、家庭の事情によって自分の息子にナイフで刺された尾形洋輔と、久々にSROメンバーがそろう本作。

 

キャラクターの濃い面々がそれぞれにいい味を出しており、小気味良いテンポで多重人格の犯人に迫っていきます。結末は思っていたよりあっさりで拍子抜けしてしまう方もいるでしょうが、全体的に見ると期待を裏切らないシリーズ最新作でした。